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症状別疾患⑤

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膝・太ももの痛み

剥離骨折

1.上前腸骨棘裂離骨折
縫工筋、大腿筋膜張筋の過大収縮力が裂離骨折を引き起こ
す。
骨盤の裂離骨折では頻度が高く、短距離の全力疾走中やスタートダッシュ時、に多く見られる。
成長期の14~16才によく発生する。


2.下前腸骨棘裂離骨折
大腿直筋の過大収縮力(付着部が牽引され)で発生し、サッカー選手がボールを蹴ったときやハードル、走り幅跳びなどの着地時に多く見られる。
14~15才に多発している。



3.坐骨結節裂離骨折
ハムストリングスにより強い収縮力が生じ発生する。
ボールの空振り、転倒、ハードルの跳躍などで突然発生するハムストリングの力が強く骨癒合しにくい。

肉ばなれ(筋断裂)

太ももの裏の筋肉(ハムストリング)と太もも前面の大腿四頭筋損傷が多くハムストリングの頻度が高い。
羽状筋といい羽の様に筋繊維の走行が斜めに走っている筋走行で二関節筋で発生しやすくジャンプ、着地、ダッシュ時などに損傷しやすい。
ふくらはぎの腓腹筋でも多発する。自覚的には棒で叩かれた様な感覚である。





コンタクトスポーツなどで打撲を受けると圧挫され、出血、断裂を生じる。
間葉細胞の増殖が起き、これが骨芽細胞となりカルシウムを沈着し骨化する血腫が骨膜まで広範囲にわたる場合は起こりやすい。放置すると厄介であり、しっかり経過を診る必要がある。大腿部や上腕部で好発する。





ランナーに特異的にみられる膝の痛みで繰り返し走ることによる腸脛靭帯と大腿骨顆部の摩擦が原因となる。

内側側副靭帯損傷(MCL)

接触型
タックルを受けるなど足部が固定され下腿部や大腿部に衝撃を受け膝に外反力がかかることによって損傷する

非接触型
ジャンプの着地や急停止、サイドステップを行った際、損傷する。膝への外反力が加わり、バレー、バスケット、ラグビー、サッカー、スキーなどで多く見られる。
膝の内側への圧痛と外反不安定性が軽い(第1度損傷)ものから10°以上の不安定性を示す(第3度損傷)ものもあり関節内出血を認める場合もある。
関節内出血ではACL断裂(前十字靭帯損傷)、半月板損傷を同時に損傷するケースもありアンハッピートライアド
名付けられいる。
骨挫傷も合併することがおおい。

外側側副靭帯損傷(LCL)

接触型に多く見られ内側側副靭帯損傷よりは頻度が低い。膝への内反ストレスが加わり発生し膝関節伸展位(膝を伸ばした状態)で不安定性が大きい場合はACL前十字靭帯の合併が考えられる。

前十字靭帯損傷(ACL)

バレー、バスケットボールなどで着地したとき、サッカーなどでの急な方向転換、ストップ動作など膝関節に前方引き出し力が作用したときに発生する。
受傷時に断裂音poppingを聴取することが多く関節血症を認める。陳旧例(経過があまりよくない例)では膝くずれgiving wayを繰り返す。

後十字靭帯損傷(PCL)

スポーツでは膝から転倒し、約90°屈曲位で前方から脛骨に直接な外力が加わり受傷することが多い。
脛骨粗面部付近に打撲による皮膚損傷を認め脛骨に後方ストレスを加えると膝窩部(膝の裏)に激痛を生じ、不安定性、圧痛と皮下出血が認められる。

オスグッドシュラッター病

大腿四頭筋の収縮を繰り返すことにより膝蓋腱の脛骨骨付着部が機械的刺激を受け、脛骨粗面部の運動時痛と膨隆(出っぱり)を生じる。
安静時の痛みはほとんどなく運動時に痛みが強い。ひどい場合には剥離した骨片が見られる。
水泳では平泳ぎのキック動作時に痛みが出ることが多く、バレー、バスケットなどのジャンプ動作でも発生する。

ジャンパー膝

膝のオーバーユースにて膝蓋腱や大腿四頭筋腱が膝蓋骨の付着部で微小断裂を起こし、瘢痕化や石炭化をきたす筋力不足、筋緊張が強い、脛骨粗面の骨の形態などが関与する。バレー、バスケットボール選手によく見られる。

半月板損傷(meniscus injury)

膝に荷重がかかった状態で回旋力が加わったときに発生する。
受傷直後に半月板の損傷側に一致した関節裂隙に疼痛が生じる。
関節内出血を認めることもある。
断裂については様々なタイプが(縦断裂、横断裂、バケツ柄状断裂など)あり中には内側側副靭帯と前十字靭帯、内側半月板、この三つが同時に損傷されることも多くアンハッピートライアド(不幸の三徴)といわれる。

有痛性分裂膝蓋骨(painful patella partita)

膝蓋骨は1個の骨化核から生じるがときに2個以上の骨化核があり、癒合(骨がくっつくこと)が妨げられると、レントゲンでは2個または数個に分裂した膝蓋骨を認める。
過度のスポーツ活動で痛みを訴え、屈伸時、走る、ジャンプ時に膝前面に痛みがある。
10才代の男女に多く見られる。SoupeⅢ型が最も多い。