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症状別疾患④

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腰痛・股関節痛

ぺルテス病

ペルテス病とは、大腿骨の股関節側に異常をきたし、痛みを訴えるとともに股関節を自由に動かすことができなくなる病気です。その後、患部の骨が変形・破壊され、後に自然再生します。

【原因】
大腿骨の骨頭(ももの骨の股関節側の先端)へ血液が循環しなくなることで骨が壊死します。
なぜ血液が循環しなくなるのか、根本的な原因は現在のところはっきりしていません。活発な男児に多く見られることから、小さなケガや疲労の蓄積が関係しているという考えもあります。

【症状】
膝の痛みや、それに関連する症状として、以下のような特徴が見られる場合はペルテス病が発症している可能性があります。

股関節、もも、ひざに痛みが見られる(特にひざの痛みをうったえることが多い)
足をねじったり、股関節を大きく曲げたり、股を大きく開くと特に強く痛む足を引きずって歩く「跛行」がみられる(痛む足をかばうため)

こうした初期症状は「股関節結核」とも似ています。
ペルテス病は3~12歳くらいの子どもに起きる病気で、特に5~7歳の活発な男児に多く見られます。大人に発症したものは「大腿骨骨頭壊死」と呼ばれ、原因や治療法がペルテス病とは異なります

臼蓋形成不全

股関節は大腿骨頭という球状の骨と臼蓋(寛骨臼)というお椀(わん)状の骨盤の骨からなり、臼蓋が屋根のように大腿骨頭を覆って体重を支えています。
臼蓋形成不全は、屋根が低形成で大腿骨頭を十分覆っていない形態的な問題がある疾患です。立ったり歩いたりする日常の動作時、小さな屋根だと大腿骨頭の安定性が悪く、炎症や痛みが生じやすくなります。

また、小さい屋根で荷重(体重負荷)を受けなければならないので軟骨が傷みやすく、進行すると変形性変化、すなわち骨に穴が空いたり(骨のう包)、余剰な骨(骨(こつ)棘(きょく))が形成されたり、さらに進行すると大腿骨頭が外側上方にずれたりします。臼蓋形成不全は女性に多く、変形性股関節症になる原因の80%以上を占めるといわれています

【症状】
病期の進行とともにさまざまな症状が出現します。初期では、股関節周囲の違和感・脱力感や労働・スポーツ後の軽度の痛みが出現し、病期が進むに従い、動作の開始時や歩行時に痛みが出てきます。進行期、末期では歩行時のみならず安静時に痛みが出て睡眠に支障を来すことや、脚の長さが短くなり、跛(は)行(こう)(体が揺れる歩行)を呈する場合があります。

坐骨神経痛

坐骨神経は人体のなかでもっとも太く、長い末梢神経で、腰のあたりから爪先まで伸びています。この坐骨神経が圧迫されるなどの刺激を受けると、腰や腎部(尻)、 太もも、ふくらはぎや足の先などに、鋭く、電気が走ったような痛みや、 ピリピリとしたしびれ、強く張っている感じ、などの症状が生じます。これが坐骨神経痛です。
坐骨神経痛は原因がはっきりと特定できる場合、症状のひとつとして扱われます。
例えば、後述する「腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」などの疾患が原因のときは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症が病名、坐骨神経痛が症状、ということになります。 実際、坐骨神経痛は原因の疾患が比較的見つかりやすいので、病名ではなく症状として扱われることが多いようです。ただ、検査をしても原因が見当たらない場合は、坐骨神経痛が病名となります。

【症状】
・腰の痛み、お尻の痛み
・お尻、太もも裏、足へかけての痛み、しびれ
・体を動かすと痛みやしびれが悪化する(問題のある部位の状態により、前にかがめない、後ろへ体を反らすことが出来ないなど)
・痛みのため歩行が困難になる
・足に力が入らなくなる
・下半身の筋肉の太さに左右差が出てくる
・ 座っていられなくなる
・足を触ると感覚が鈍くなっている

腰部脊柱管狭窄症(Lumbar spinal stenosis)

加齢、労働、あるいは背骨の病気による影響で変形した椎間板と、背骨や椎間関節から突出した骨などにより、神経が圧迫されます。
脊柱管は背骨、椎間板、関節、黄色靱帯などで囲まれた脊髄の神経が通るトンネルです。年をとると背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、黄色靱帯が厚くなって神経の通る脊柱管が狭くなって(狭窄)、それによって神経が圧迫を受け、神経の血流が低下して脊柱管狭窄症が発症します。
椎間板ヘルニアに比べ中高年に発症することが多いようです。また背骨を後ろに反らすと脊柱管が狭くなり、前に曲げると広がるので、間歇性跛行が起こるのです。

【症状】
この病気では長い距離を続けて歩くことができません。
もっとも特徴的な症状は、歩行と休息を繰り返す間歇性跛行(かんけつせいはこう)です。
腰部脊柱管狭窄症では腰痛はあまり強くなく、安静にしている時にはほとんど症状はありませんが、背筋を伸ばして立っていたり歩いたりすると、ふとももや膝から下にしびれや痛みが出て歩きづらくなります。しかし、すこし前かがみになったり、腰かけたりするとしびれや痛みは軽減されます。
進行すると、下肢の力が落ちたり、肛門周囲のほてりや尿の出がわるくなったり、逆に尿が漏れる事もあります。

弾発股(snapping hip)

股関節周りの出っ張りのある骨の上を腱がこすれて音がなること。
主に腸脛靭帯が大転子の上を通るときと、腸腰筋が小転子を通るときに音が鳴ります。
滑液包炎を伴っている場合は痛みがある。
弾発股には、股関節のどの部分で引っかかりがあるかで、3種類に分けられます。

【外側から音がするタイプ】
腸脛靱帯が大腿骨の大転子に引っかかって音がします。
股関節が外側上部にずれている人(お尻が大きい人)に多く発症します。

【鼡径部(足の付け根)から音がするタイプ】
腸腰筋の腱が大腿骨骨頭上に引っかかって音がします。

【内部から音がするタイプ】
激しいスポーツなどで股関節を使いすぎて、軟骨が磨り減っていたり、変形性股関節症の人に多く、股関節の内部でガリガリと音がします。

恥骨結合炎(Groin pain syndrome)

スポーツでの股関節、鼠径部の疼痛で大腿内側、腹部まで放散する痛みが特徴。キックやランニング動作で受傷が多くサッカーでは多く見られ、休息も不可欠な症病である。